読書感想文

【感想】罪と罰(上)(下) / ドストエフスキー

「選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す権利を持つ」 これは、この物語の主人公ラスコリーニコフが持つ独自の犯罪理論の一部である。 ある日、彼は、その犯罪理論に基づいて、金貸しの老婆とその妹を殺してしまう。 想定外…

【感想】インドで考えたこと /堀田 善衛

筆者がインドの旅を通して、思索した事をまとめた書。1957年に発行されたものであり、現在のインドは、筆者の旅したインドとは違うのかもしれない。しかし、この本を通して、筆者が抱いた思考を辿っていく事は、狭い日本にしか視野を向けてない多くの日本人…

【感想】クリスマス•カロル / ディケンズ

意地悪でケチな商人・スクルージは、クリスマスイブの夜、今は亡き昔の同僚マーレイの幽霊に遭遇する。マーレイがスクルージの前に現れたのは、スクルージがこのままの悪い行いを続けると死後の世界で大変な目に逢うのだと忠告するためだった。 スクルージを…

【感想】他人を見下す若者たち /速水 敏彦

「現代人は自分の体面を保つために、周囲の見知らぬ他社の能力や実力を、いとも簡単に否定する。世間の連中はつまらない奴らだ、とるに足らぬやつらだという感覚をいつのまにか自分の身にしみこませているように思われる。そのような他者軽視をすることで、…