【感想】君たちはどう生きるか /吉野源三郎

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

 

自分たちの地球が宇宙の中心だという考えにかじりついていた間、人類には宇宙の本当のことがわからなかったと同様に自分ばかりを中心にして物事を判断してゆくと、世の中の本当のことも、ついに知ることが出来ないでしまう。
大きな真理はそういう人の眼には決して映らないのだ。

天動説が当たり前だった時代に地動説を唱えたコペルニクスは、その時代の人々から非難中傷を受けます。非難中傷をしていた人々は、自己のエゴイズム、つまり人間中心・自分中心の考えに囚われ、地球(人間)が宇宙の一部という真理を受け入れることができなかっただけでなく、真理を唱える人間にさえ危害を与えてしまった。そして、筆者は、この話を通して、自己中心的な人間は、往々にして物事の本質を見失ってしまうのだと指摘しています。


確かに他人の意見を聞かず、自己の考えが一番だという錯覚に囚われているとき、人間というものは盲目になっている。そして、そういうときには、おそらく精神的にも知識的にも成長の機会を失っているのだろうと思う。

他人を尊重すること、謙虚に人の考えを聞くことは、一歩下がっているように見えて、己の視野を広げるだけでなく、大きな成長を与え前進の力にしてくれているだろう。

また謙虚な人間には、人は手を差し延ばすし、利己的な人間には人は何も与えようとはしないだろう。

自分ばかりを中心に物事を判断せず、物事の真理を見極められるコペルニクスのような生き方をしたいものだと思う。

 

 

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

君たちはどう生きるか (岩波文庫)